C校舎の城ヶ崎くん
「ま、あれだろ。彼女になりそうなやつは、一応蹴散らしておこう、みたいな」
「ちょっと違う」
「でもまあ、そんなんだろ?」
「…まあ、それでいい」
そう言うと、また本を読み始めた。
まっつんはくるっと私のほうを向き直って、がしりと肩を掴んだ。
「龍、今国語準備室にいるから、ちょっと行ってきてくれる?」
「えっ…と、突然なに?」
「ちょっと告白長くない?様子見てきてほしいんだけど」
それはニヤリとした顔つきで言うもんですかね。
私はこれから用があるわけでもなく、断る理由も思いつかなかったので了解した。
「あ、本当ー?助かる」
「うん」
「国語準備室はね、この階の奥だから」
「分かった」
ハンカチを手に持ち、「いってらっさーい」と手を振っている。
まっつん、楽しそうなんだけど。