桜ノ君
また歩き出した後ろ姿をジッと見て気づく、今まであまり見たことがなかった。

いつも隣を歩いてくれてたから、後ろ姿なんて知らんかった。

ほんまは歩くん、速かったんやね。

ずっと合わせてくれてた、
そんなことさえ気付いてへんかってん、あたし。

怒っても、
最後には待ってくれるって思い上がっててん。

ごめんな
ごめん。

今度は素直に言うから
やから振り向いて?

アホやなぁ、
置いて行ったりせぇへんで。

って

いつもみたいに、呆れながら笑いかけて?


追いかけるから
今から追い付くから。



fin
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