私の誠は…
「はい。物の持ち主がそれを常に持ち歩いていれば、持ち主の体験は物にも記憶として残ります。母上はその記憶を読んでいるんです。」
「力はよくわかった。だが、長州についていた君がなぜここに?」
「……私は…長州のやっていることが正しいとは思いません。」
「ほぅ…」
「それから私達の力は人を殺めることも容易いのです。長州とて私達を人間とは見ていませんし、見ているのは力と実力だけです。」
「それがなぜここに来ることに繋がった?」
幹部が気まずそうに視線を落とすなか、土方が紫音に詰め寄った。
「母上は使い方を間違っています。金に目がくらみ、利用されるために使う力。本来誇り高き一族にあってはならないことです。」
「確かにそうだよね。もったいないし…」
「ああ。もっと有効活用するべきだな。」
「えー。平助も一君も紫音君のみかたなの?」
敵なのに…。
総司は一人ため息をつく。