私の誠は…
「…暇だな…」
山崎がいなくなりすることもなくなった紫音は屯所内を散歩することにした。
しばらく歩くと木刀のぶつかり合う音が聞こえてくる。
「稽古場、か?」
稽古場の前で紫音は立ち止まった。
「さすがに不味いよな…」
「なにがまずいの?」
突如後ろから聞こえた声に紫音は目を見開いて振り返った。
紫音と同じくらいの身長で童顔な男。
「えと…藤堂、だったか?」
「おう!俺、藤堂平助。平助でいいよ。」
「そうか…俺も紫音でいい。」
「うん。ところで、入らないの?」
立ったまま動かない紫音に平助は首を傾げた。
「いや…まだ紹介もされてないし、ちゃんとした隊士になったわけではないからな…」