私の誠は…


「総司、入るぞ?」

ガラッ…

「いない…巡察だっけ?」

総司はまだ俺のことを認めていない…


一応仲間だからなぁ…紫音は心の中で呟いてため息をこぼした。


キーー……ン


不意に感じた気配。微かに匂う自分と同じ霊力。

「出てこい!!」

紫音が声をあげた途端、苦無が飛んできた。

それを素早く避けると、男の笑い声。

「さっすが、紫音。迎えに来たよ。」

「楓!!」

声の主はかつて仲間だった楓。
火を操る。

「私は行かない。ごめん。」

「それは戦うってことでいいんだね?」

それが合図になった。



空中で二人の苦無が激しくぶつかる。


攻撃を仕掛け、避ける。の繰り返し。

村では紫音と楓が断トツで戦闘力が強かった。


いつの間にか中庭に移動していて、幹部が紫音と楓を見て固まっていることにも気付かず、激しくぶつかる。




< 19 / 58 >

この作品をシェア

pagetop