私の誠は…
「総司、入るぞ?」
ガラッ…
「いない…巡察だっけ?」
総司はまだ俺のことを認めていない…
一応仲間だからなぁ…紫音は心の中で呟いてため息をこぼした。
キーー……ン
不意に感じた気配。微かに匂う自分と同じ霊力。
「出てこい!!」
紫音が声をあげた途端、苦無が飛んできた。
それを素早く避けると、男の笑い声。
「さっすが、紫音。迎えに来たよ。」
「楓!!」
声の主はかつて仲間だった楓。
火を操る。
「私は行かない。ごめん。」
「それは戦うってことでいいんだね?」
それが合図になった。
空中で二人の苦無が激しくぶつかる。
攻撃を仕掛け、避ける。の繰り返し。
村では紫音と楓が断トツで戦闘力が強かった。
いつの間にか中庭に移動していて、幹部が紫音と楓を見て固まっていることにも気付かず、激しくぶつかる。