私の誠は…
「突然だがお前らに報告だ。近藤さん。」
険しい表情のまま、土方が近藤に目配せをする。
近藤は小さく頷いて、口を開いた。
「明後日……紫音君の一族が処刑されるそうだ。罪は長州に対する裏切りだよ。」
「「「「!!…………。」」」」
近藤が深刻そうな顔で静かに切り出したあと、しばらく沈黙が続いた。
「それは…紫音がこちらに来たからか?」
斎藤が静かに聞く。
それは誰もが思っていたことだった。
「そのようだ。だが、これは紫音に言うな。平助にはあとで伝えておけ。」
紫音にはいわない。
その事実が幹部に重たくのしかかる。原田や永倉は顔を背けた。
「空気が重くなってしまったね。でも、これは私たちではどうにもできない。忍の裏切りは許されないことだ。」
近藤が暗い顔をする幹部を諭すように見る。
正論だからこそ悔しい気持ちは募るばかりだ。
「まぁ、そういうことだ。じゃあ、夕飯担当の奴は片付けをしろ。他は解散だ。」
最後に土方が締めると幹部は次々に部屋から出ていった。