私の誠は…
一族の名前
総司は速足で自分の部屋に向かっていた。
最初こそ信じてはいなかったが、自分の誠を真っ直ぐに貫こうとするところに心打たれたのだ。
これは総司に限らずほとんどの幹部に言えることである。
「紫音さん…入りますよって…え、、、」
総司は急いで紫音を抱き起こした。
その頬は涙で濡れていた。
「紫音さん…」
「んっ…か、えで…?」
寝ぼけたらしい紫音が総司の顔に触れようと手を伸ばす。
しかし、寸前で目が覚めたようにばっと手を戻した。
「わっ、すみません!」
「ハハハッ大丈夫ですよ。それより…どうして泣いていたんですか?」
「私、泣いてました?」
紫音は総司に悟られないよう、笑顔でとぼける。