私の誠は…
「ごまかしても駄目です。何があったんですか?」
「関係、ないっ…!!」
そっぽを向いて意味もなく自分の苦無を磨く紫音に少々、怒りが沸いた総司。
「貴女も新撰組の隊士なん…「楓に謝りたかった!」…え?」
「私と楓は恋仲だったけど…告白して一緒になった訳じゃない。」
"いやいや紫音さん…恋仲って好き同士でないと成り立ちませんよ…"
と言いたいのを抑えてじっと聞き入る総司。
「親が勝手に決めた許嫁だった。元は仲のいい幼馴染み。」
「何で忍の村で許嫁なんて?」
「いったはず。私たちは特殊な忍。その血を絶やすわけにはいかなかった。」
紫音は苦無を出したり消したりして見せる。
「でも、忍はもっと居たはずですよね?だったらなんで…」
質問してから総司は後悔した。
紫音の顔から表情が消えて居た。