私の誠は…
黒い笑みを張り付けて紫音に近づく総司。
紫音は怯んだ様子もなく、口を開いた。
「あ、私に手を出したら、空間に閉じ込めるよ?」
「………。」
総司の完敗だった。
落胆する総司を見て満足気に笑う紫音は再び布団に潜って早くも寝息をたてた。
「…叶わないな。」
その言葉に返答はない。
総司もまた、今日何度目かも知らない苦笑いをして布団に潜った。
とたんに瞼が重くなって、意識も頭のなかで霧の向こうに消えた。