私の誠は…
「紫音。よく聞いてください。私達忍の一族の名前は…」
「鬼神、です。」
「き…じん…」
なぜかその名前を聞いたとき、紫音は身震いをした。
体が求めていたのかもしれない。
「"任務は鬼のように残酷に、冷酷に。そして神のごとく正確に"これが私達、鬼神一族の使命です。」
「分かりました。鬼神一族として、これからをしっかりと生きて行きます。」
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紫音の一族はある一定の年齢にならないと一族の名を教えてもらえない。
だから、一族の名を知ることで正式に鬼神の忍となるのだ。
「名前を知った直後に生き残りなんて残酷すぎるよ…っ」
日が落ち始めた町を歩きながら紫音はきつく唇を噛む。
例の裏路地につくと、誰もいないのを確認して、紫音は音もなく消えた。
この日、一つの一族がその名を消した。