私の誠は…
新撰組の忍
「紫音ちゃん遅いね…」
幹部が集まる部屋で平助が呟く。
「そういや今日、紫音の一族の処刑だったな。」
何気無い原田の言葉に総司が反応した。
「ねぇ、もしかして紫音ちゃんそれを見に行ったんじゃない?」
「いや、それはねぇ。アイツはそれを知らない。」
「そういえばあの一族、名前が有りませんでしたね。」
総司を否定した土方の後に、山南が呟いた。
「山南さん、どういうこと?」
「なんだ平助、知らねぇのか。元は東北に拠点を置く一族で、その名は一族の者しか知らない。」
新八が得意気に言ったあと、斎藤が助言するように口を開く。
「他の者達は例の一族などと読んでいたようだ。」
「そっか…それにしても遅いね、紫音ちゃん。」
平助が心配そうに門の方を見つめる。
そのときだった。