私の誠は…
「遅くなりました。」
円状に座る幹部達の真ん中で近藤の目の前に紫音が現れた。
「おい紫音。てめぇ何処行ってやがった?」
驚きで声も出ない幹部達を差し置いて土方が苛立ったように口を開く。
幹部達の視線が集まる中、俯いていた紫音はサッと顔を上げ、真っ直ぐ近藤を見た。
「家族と仲間の最期を見届けてまいりました。」
「嘘だろ…それは幹部しか知らないはずなのに!!」
信じられないと言うように平助が叫ぶ。
「私も昨日、夢の中で知りました。」
「夢の…中?」
「はい。憶測ですが、意識を一つに集める力を持つ忍によってされたと…」
本当はそんな忍はいないのだが、紫音自身もよく解っていなかったため、そういう事にしておいたのだ。