私の誠は…



「あ、いや、確か苦無やったと…ってまさか!!」


山崎の呟きと共に皆が紫音を見る。



紫音は俯いていた顔をあげ、妖艶に笑った。

「ふふふ…そうよ?言ったじゃない。一族の最期を見届けたって。」


楓を葬り去った冷酷な瞳。
そして紫音は、残酷な事実を言葉にする。





「私が、一族を皆殺しにしたのよ?」




「何でだよ!?家族だったんだろ!!」
普段、絆を大事にする原田が声を荒げた。


「仲間の命を奪うのは誠に反する。」

斎藤は非難の目を向ける。



「誠…ねぇ?」

斎藤を見下したように笑う紫音。


その豹変ぶりに幹部は唖然とするしかなかった。



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