タイトル
「俺と同中らしい」
塾に行くと
ある男子の声が大きく響いていた。
中学校が同じだった
塾でも同じクラスの男の子。
そいつが
同中だと響かせている。
と
いうことは私と同じ中学校だったということだが…。
「…誰が?」
ボソッと言ったが
誰も聞いていないようだ。
…よかった。
「めっちゃ、イケメンらしい」
次は女子だ。
「…だから、誰だよ」
さっきより
声をあげたが誰も気づいていないようだ。
…よかった。
「めっちゃ頭いいらしいぜ」
男子。
「学校遠いらしいよ」
女子。
なんか、
どこもかしこもざわざわしてるなぁ。
私は
いつも座る教卓に一番近い席に着いた。
「松楊らしい」
「なんか、怪物らしいよ」
「あぁ、デカイらしい」
「なぜか、神って呼ばれてるらしい」
いろんな
声が飛びかっていた。