タイトル
塾の講義が始まる少し前、
噂の彼がきた。
私は
余所見していて反応が遅れた。
背が高くて、
髪はサラサラしていた。
確かに
キレイな男の子だった。
でも、
私の感想はそれだけ。
彼が学校にいるのなら、
仲良すぎるくらい近づいてやるけど、
別に学校にいるわけでは…
と思ったが
ちょっと思い留まる。
確か、彼、
同じ学校だったって誰かが言ってた…。
「はじめまして、
よろしくお願いします。」
彼は
頭を下げた。
「おい、名前は?」
先生に口を
はさまれる彼。
渋々、
口を開いた。
「……。
……神影 宗太です。」