タイトル
塾の講義が
終わった後、
声をかけてきてのは
彼女の方だった。
「…神影 宗太くん、だよね?」
俺は
何も発せず頷いた。
二人とも同じような顔をしている。
なにか、
秘密にしていたものがバレてしまったような…
そんな顔。
「…同じがっ」
「渡邉 夕夏…
…覚えてるよ…。」
俺は彼女の言葉を
さえぎった。
どうやら
とてもテンパっているようだ。
…俺も彼女も。
「…えっと、あの」
「外、出る?」
彼女はコクりと頷いた。
外は
薄暗いが晴れていた。