タイトル


私は
校長先生に呼ばれた。



全校朝会で渡せなかった賞状を
渡してくれるそうだ。


わざわざ
校長先生自らの手で。






なので
校舎を出る。


私の教室がある校舎の
隣の隣の校舎の中に校長室かある。





要するに
神影くんがいる教室の校舎。






…要するに、遠い。






「あっ、ゆかたんじゃん。
どうしたの?」




「ちょっとぉ、校長先生に
呼ばれちゃったんだぁ~。」


超ぶりっ子で言う。














―コンコン―

「校長せぇんせぇ~」




滑舌があまりにも回っていない、
幼稚園児のように言った。



そこで
賞状を渡された。





「ゆかちゃん、

お願いがあるんだけど…」



ジャムおじさんのような顔して
口を動かした。




「ゆかちゃん、
ぢゃあありませんー。

ゆかたぁんですっ♥」



敬礼をする。




「…ゆかたん、
これを渡してくれるかな?」







私は
舌打ちをしてしまった。








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