タイトル
俺は家に戻ると
そのままリビングへ向かった。
もちろん、
ホワイトボードを手にして。
『学校、行かせて下さい』
そう書いて、
頭を下げた。
母は
ホワイトボードを取った。
『オーケー』
白くて四角いそれ
いっぱいに母の字があった。
あ り が と う
声にはならなかったけど
気持ちいっぱいに声に乗せた。
母は
小さい細い腕で俺を囲った。
母から熱い何かが
落ちてきた。
それは段々
大きくなって落ちていく。
何度も何度も
ありがとうって
言えない自分がもどかしかった。