タイトル


髪は切ったし
飾りのついたカーディガンもやめた。



ぶりっ子の要素は
多分ほとんどない。



無理矢理創ったような笑顔も
やめた。








見たことある大きな背中を
ふたつ見つけた。





二人が振り向いた。







凛くんが口をあけて
固まった。







私は
宗太くんに向かって叫んだ。







「かわいい?」







宗太くんは
口元を右手で隠すようにして笑った。



目が見えないように角度をつけてから
その右手を私に向かってつき出した。









――グッ!!!――







親指をあげて
拳をみせた。

(要するにグッドってこと)








「そうっ」


私は二人を抜かして下駄箱に向かった。







フッと笑いがこぼれた。



< 223 / 313 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop