タイトル
ある時、
ゆかが言った。
いつもみたいに
凛はとっとと帰った後だ。
「お医者さん…、
目指そうかな。」
彼女は
恥ずかしそうに笑った。
「私、お母さんが
どうしようもない人だって言ったじゃん!?」
それは聞いたことがある。
凛から聞いたのか
病室で聞いたのかは覚えてないけど。
「でも私にとっては
やっぱりたった一人の家族でお母さんで…
最後まで、今でも
お母さんのことが大好き。」
彼女は
話続けた。
「周りの大人は
お母さんの悪口ばかり言うし、
死んだあとも、
お母さんのことは忘れなさいって言った。」