タイトル


俺はもう一度

傘をみた。








あの時音楽室で
傘の話をふられた。


俺は
とっさに「ない」と答えた。







でも

それはある。







間違えなくそこに

忘れることなく

そこに存在している。







時計を見た。



良く良く考えると
面会時間は過ぎていた。






慌てて携帯を取る。






『病院の人に止められたわ(笑)』







とあった。









――バ~カ――







俺は
窓の外に笑った。

< 248 / 313 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop