タイトル


―――――


「傘、意味なかったですね。」



コンビニで傘を買った俺らは
空を見て立ち尽くした。


雨なんて降ったあととは
思えない空。





「…そうですね。」





素っ気なく言った。

話すだけでも
最近じゃあご無沙汰で、
何を言えばいいかなんてわからない。





「あの、良かったら

傘、変えっこしません?」






はっ?
って顔をした。

多分、
表情には出てないけど…。



さっきから彼女の会話は
唐突すぎる。


その様子から
あまり人と話すことが得意ではないことが
なんとなく感じられる。





「…いいスッけど、」

俺の傘は藍色で彼女の傘は
コバルトブルーってやつだ。

…こんな綺麗な色の傘、
俺が持っていいのか?







「はいっ」





彼女はなにかコソコソしたと思ったら
すぐ俺に
傘を渡した。





「…じゃあ、はいどうぞ」






俺も自分が買った傘を
渡す。




―――――







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