タイトル
夢をみて思い出した。
傘から落ちた紙切れは
あの時、
ゆかが書いたもので…。
一人になったゆかの
一番でとても大きな願いだった。
(…ずっと、)
中学三年生のとき、
久しぶりにあった彼女。
あの時、
俺は忘れてた気持ちを思い出してしまった。
そのため、
あの傘を開くことはなかった。
なんか
もったいなくて、
そのままにしておきたくて、
どうしても
使えなかった。
さっき
ユルカの前で開けたのは…
あの傘に
"開いて"と言われた気がしたから。
『日曜日まで、いる』
もう一度携帯を持ち、
凛に送った。
(俺はずっと、ゆかが好きなんだ…)
頭の中でフッと
笑いがこぼれた。