タイトル


「おい、宗太。」


男達の間を通ることなく、
上から話かけてきた。




クラスで唯一、
俺と目が合うやつだ。




気もどちらかといえば
あうほうではある。




「…なぁ、C組
行かないか?」



だけど
唯一チャラいやつでもある。




「…いや、遠慮しとく。」




本をかばんに収めた。






「…じゃあさぁ、A組は?」


「諦めろって。
神たんは、絶対いかねぇよ。」

「逆に
俺らが行ってやろーか?」


俺の逆は
お前らなのかよ。

口に出さずに脳内で呟く。




…やっぱり、
ツイッターでもしとくべきだったかな。





「お前らじゃあ、モテないだろ!?」


男どもが
ガヤガヤし始めた。



教室はたちまち
コイツらのせいでうるさくなった。


周りの女子の目が
怖い。









  ―ドスドス…―


奴がきた。





このクラスの番長。

学級委員長が
ひとつ吠えた。





静かになったところで
俺は呟いた。






「…5分」









俺と唯一
目線か合う奴が笑った。

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