タイトル




「お前、
A組だけはついてきくれるよな。

誰か
気になるやつでもいんの?」





廊下を歩きながら
話した。


部活まで
あと10分もない。




「…別に。」




その言葉にかぶせるようにして
あいつが喋る。




「そいやぁA組って
あの子がいるクラスだよな?」





さすがクラス唯一のチャラいやつ。

女子の情報に詳しいらしい。



そう言えばいつも
女子を捕まえている。


捕まえられるやつも
どうかと思うが…。


…まあ、別に
俺に関係ないしなぁ。




「あれ?
もしかして"あの子"をご存じ?」


隣のチャラ男が
茶化してくる。




「…別に。」




イエスでもなくノーでもない
いつもの返事をする。






「ぶりっ子で噂の…

あっほら
あの子が"あの子"だよっ!」



進んでいた方向とは逆に
襟を引っ張られた。

グッとなる喉を押さえて
指差す方を見る。

あの子があの子って
どーゆー日本語だよ。

また頭の中で
呟いた。





こんだけ呟くことあるんなら、
本当にツイッターしとくべきだったかな。

そんなことを
のんきに考えていた。








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