タイトル
あの子は、
髪が腰まで届くほど
長い。
その髪は
綺麗にといて下ろしてある。
女子がよく使う、
アイロンを使っているのは間違えなかった。
どっから出しているのかと
驚いてしまうような声。
周りには
男たちしかいない。
女子らしい姿も見えない。
小さい背中から
男たちに笑顔を見せているのはわかる。
「…宗太?」
ボーとしていたらしい。
顔を覗かれた。
「…まさか、
あぁゆーのがタイプなわけ?」
ニヤニヤと
笑いやがる。
なるほど
これが殴りたくなる顔か。
俺は
右手を握った。
「…ジョーダンでしょおー?
神たんともあろうお方が
あの子を好きになるわけ…」
結局俺は
チャラ男を殴った。
「…5分」
俺は
"あの子"を背に廊下を走った。