タイトル
神影 宗太の場合
俺の名前は
神影 宗太(ミカゲソウタ)。
「もう、持って行くぞー」
俺は
教卓に肘をついて叫んだ。
「あと、1ページだけ待ってっ!!」
クラスの男子が
必死になってノートを書いている。
勿論、
答えを見ながら…。
「もう、お前は後で出せ!」
俺は散らばったノートを
重ね始めた。
突然、教卓の前から小さな手が出てきた。
スルッと半分、ノートを重ねて
束を作った。
そのままノート達を引きずって
小さな腕の中に入れた。
ハッと気がついて、
自分もノートをまとめて持つ。
さきさき行く
小さな彼女を追いかけて
俺は少し後ろをゆっくり歩いた。