タイトル
初恋…。
私にもあった。
中学生だったあの頃私にも。
家庭が不安定で
少し忙しかったけどそれでも
恋は落ちるときは
落ちるのだと友達が教えてくれた。
あの頃は別に
初恋なんだとわかっていたわけではない。
まさか自分が…
っていうのもあったし、
何より全くそういった自分の心情に気づいていなかった。
今になって思うと
あれが初恋なんだろうなぁ
って感じ。
放課後の廊下には
誰も人はいない。
野球部の金属音や
吹奏楽部から伝わる空気だけがあった。
「…あれ?
印刷ミスかな?」
私はもう一度
新聞を見た。
神様の記事なのに
神様の名前は載っていなかった。
「神は神ってこと?」
ひさしぶりに
肩が少し上がるような笑いがでた。