側に居ない君は。
「…さっきからこっちを見てたのはテメェか」
「何がテメェよ。ここはあたしがいつもいる場所なの、さっさと溜まり場にでも行きなさいよ」
心底うっとおしいと言わんばかりの目であたしを見る静紅は、この学校のほとんどが所属している族、
王豹〈おうひょう〉
13代目 総長
少し垂れた目はいつも無気力さに溢れ、それでも体は総長をしているだけあってガタイはいい。
「俺は戯れるのが嫌いなんだよ」
「じゃあなんで王豹に入ったのよ」
「……そんなこと、どうだっていいだろ」
「はぁ……あ、そ」
ふい、と目を逸らしたかと思えば座っていたソファに寝転び始めた。
いや、なんでよ。
「なんでそこに寝転ぶの、早く出ていって」
「……。」
「ちょっと!」
「……。」
「っ、あぁ、もう!!」