側に居ない君は。




なんて自己完結させて、毛布を畳む。


自分が思っていた以上に眠っていたみたいで、室内はオレンジ色に染まっている。




………髪、ボサボサ。




どうやら寝相が悪いらしいあたしの髪は手櫛が通らないくらいに絡まっていて、仕方なく鞄から櫛を出していつも以上に丁寧に梳〈と〉く。




「よし」




なんとか髪が整ったあたしは1度ぐっと伸びをしてから鞄を手に持ち、図書室を出る。



鍵は、まぁ初めから開いてたしそのままでいいや。



なんて思いながら校内を歩くと、あまりの静かさに変な気分になる。


まるで、あたし以外誰も人が居ないみたい。



部活や委員会なんてあってもまともに活動していないこの学校だから、こんな体験出来るんだろうけど。





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