側に居ない君は。
布団を剥〈は〉いで起き上がり、簡単に前髪を上げる。
階段を下りながら手櫛で髪を整えて、洗面所に向かう。
「………ふー」
まだ覚め切らない頭のまま苛々していても、また苛々が募るだけだから、ザッと顔を洗う。
冷たい水で顔を洗えば、胸の辺りにあったモヤモヤが軽くなって、スッキリした気持ちでリビングに向かった。
「おはよう」
「……おはよう、母さん」
「真子、アンタいい加減1人で「あー、はいはい。いただきまーす」………はぁ、どーぞ」