もう一度、最初から
「………はい」


驚きつつも、何だか間抜けな相づちを打つエノキ。


「でね。その人には、彼女がいるの」


「……はい」


「彼女は、彼が好き。彼は、彼女が好き」


「……はい」


「だから、あたしは失恋したの」


「……はい」


「つまり、あの職場には居られないの」


「……はい?」


エノキのトーンが変わる。


「そこ、つながります?」

< 104 / 196 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop