もう一度、最初から
静まる車内の空気に耐えられなくなって、しょーもない話でいいから繋ごうと思ったあたしは思わず

「ね、口調さ」

「はい?」

「店長モード解除してよ、どーせあたしもう辞めるんだし」

「……あぁ」

エノキが何やら考えこんでいる。

いや、あたしそんな難題突きつけたわけじゃ……

と、その時。

「俺さぁ」

……?!

「ちょっとー!!それじゃ、赤子がいきなりツーステップ踏むくらいの成長ぶりよ?!」

「ツーステップ?」

「そこに引っ掛からなくていいっての」

「だって俺こっちが素だし」

「へ……?」
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