もう一度、最初から
「俺と柚希が初めて出会ったのは、丁度10年前。俺が18歳の、時なんだ」

10年……

それだけで、ズンと心が重くなる。

二人の間には、もう10年分の思い出や歴史があるんだね……。

「入った大学のサークルが同じで、二個上の柚希は信じられないくらい可愛らしくて」

……でしょうね。なんだろう、あたし、この話最後まで身体もつかな?

「俺は、ひょろひょろで、とんでもなくダサくて」

知ってる知ってる。大学入学した頃……イコール高校卒業した頃だもん、エノキダケ全盛期だもんね?

「サークルの男達……先輩も、友達も、皆大なり小なり柚希に好意を持ってた。女子からの評価は知らないけど」

「エノキも、でしょ?」

「それが……そりゃ、かわいいな、とは思っていたけど、別に皆が騒ぐほどでもないなって言うか…」

「な、何様……」

「うん、まさに。柚希にしてみたら、それが気にくわないというか、気になると言うか。そんな感じでアタックされ始めて」

…アタシに落ちないオトコはいないってこと?!中々じゃん……言えないけど。
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