もう一度、最初から
さらっとシカトされたまんま、車が走り出す。

どうやら、目的の場所までドライブするって言ってたから……

もう少し一緒に居られるのかな。

それだけで、口許がほころぶ。

「そんなに美味しい?」

「へ?」

「いや。そんなにいい顔するかねーと思って」

「……いい顔してた?」

「うん、かなり」

……もう少し一緒に居られると思ったから、なんて、口が裂けても言えないけどね。

「……元がいいんで」

「……知ってます」

ふふふふふ、と笑いあう。

「で、さっきの話の続きなんだけど」

ずっとこのまんまでいられたらいいのに、という思いが脳裏をよぎった途端、この仕打ち。

はい、聞きますよ。

その為に今一緒にいるんだもんね。
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