もう一度、最初から
「柚希さんの、そういうの、嫌にならなかったの?」

「服装や髪型の他にも、束縛が激しくて……俺が就職して、少しした時、一回別れたんだ」

「わ……別れられたんだ?」

「的確な言い方するねー」

エノキがちょっと笑ったみたい。

運転しながらだから、よく顔は見えないけど。

「だけど、別れて2ヶ月位した頃だったかな?突然連絡があって……」

声のトーンが下がる。

「子どもが出来て、お、堕ろしたって……」

「え……」

空気がひやっとする。

あの、幸せで、守られているオーラ全開の、柚希さんの笑顔が目に浮かぶ。

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