もう一度、最初から
車が、すーっと停まる。

運動公園の駐車場。

辺りはすっかり暗くなっていて、緑が鬱蒼としている。

エノキが改めてあたしの方を向く。

駐車場の外灯は、ギリギリ表情が分かる程度にしか光が届かない。

「朱里さんが、来るまでは、それでよかったんだ」



……意味が分からない。



「このまんま、いずれ柚希と結婚して、子どもが産まれて、平凡に、幸せに暮らしていこうと思ってた」

エノキが苦しそうに言う。

「そうすることで、消えてしまった命の償いになるとは思わないけど、でも、少しは……ましだと……」

「償いなんて、重く考えないで。これから柚希さんと幸せになればいいじゃない。ごめんね、あたしが変なこと言ったから……気にしないで、計画通りやればいいじゃない!」

「もう駄目なんだよ!!」

……こんなエノキ、見たことない。
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