もう一度、最初から
気がつくと、声を出さずに涙が溢れていて。

出ている事にも気づかなくて。




……また、いなくなってしまう。

どうして?

『好きな人』が、そばにいて欲しい人なんだよ。

『もっといい男』なんて、あたしは求めていない。

そっちの都合でいなくなるくせに、あたしの為みたいに言わないで!!!!



エノキが、そっとあたしの頭を撫でる。

よしよし、よしよしとあやすように。


予想以上にその手は大きくて暖かくて、涙が止まらない。
< 151 / 196 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop