もう一度、最初から
*その11*
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あのキスの次の日、あたしはコンビニのバイトを辞めた。
メールで伝えただけだったけど、すんなり了承された。
何ならまた、引っ越したいような気持ちだったけど、そんなお金はないから、とりあえずはアパートにいる。
エノキと最後に顔を見て話した会話が、車を降りる直前の
「その袋、何入ってるの?」
「……と、特製冷やし中華……」
「え?!」
「あと……みかんヨーグルトと…梅酒……」
「ま、じでーーーー?!」
というもので、爆笑されたのが、唯一の救い。
あたし達は、飲み友達位ならなれるかもしれない。
……そう思って、笑って。
手を振って別れることが出来た。
心配かけちゃいけないから。
エノキには、別の未来が待っているんだから。