もう一度、最初から
「あのね……ちょっと、柚希さんと話したい…んだけど」

「柚希と?」

電話の向こうで何やら話している声がする。

聞き耳をたてたかったけど、そんな自分が何だか惨めで、あたしはじっと我慢した。

「なんか、柚希も話したいって言ってる。……え?ぁあ、」

後半、あたしではなく、向こうで柚希さんと話している。

そういうのって、凄い疎外感。

いちいち傷つくのも馬鹿げてるけど。




結局、エノキ経由で近場のカフェと時間が指定された。

あたしはそこにバスで行くけど、柚希さんはエノキに送ってもらうのかな……と思うと泣きたくなる。

でも。きちんと知りたい。

それから諦めても、遅くないよね?
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