もう一度、最初から
柚希さんは、当然のようにさっきと同じ席にいて。

下げてもらったのか、テーブルには何も乗っていない。


あたしは、柚希さんの目の前に行き、声をかける。

「こんにちは……」


「あ。お久しぶり!元気?」

柚希さんは、かわいらしい顔に、『嬉しくてたまらない』という表情をのせて、あたしを真っ直ぐに見てくる。

こんなの、オトコだったら、たまんないよね。


「急になんか……すみません。しかも遅くなって」

「ぜんぜーん!あたしもついさっき来たとこだよ」


……お前オトコとここでキャッキャしてたじゃーーーーーーーーん?!

言えないけどね。

でも、言ってやりたい。
< 169 / 196 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop