もう一度、最初から
あたしは、柚希さんの質問には答えずに、ぎゅっと下唇を噛み締めていた。
その無言がもう、答えているも同然だったのかもしれないけど……。
「榎本君が、浮気したことへの、仕返しですか……?」
あたしの質問に、今度は柚希さんが黙りこみ、ふと窓の外を見ながら言う。
「……色々知ってるんだねぇ。それ、あたし自身もいつだか曖昧なくらい、遠い昔の話だよ」
「身体は、大丈夫なんですか?」
(2回……いや、1回だけど、堕ろしたりして)
……という、あたしの気持ちを察知したらしい柚希さんが、ポーチから何かを取り出す。
昔駄菓子屋さんで見たような、小さくてカラフルな糖衣ラムネのような物が、アルミのシートに並んでいる。
そのシートを自分の頬にピタピタとつけながら
「あたしね、ピル飲んでるの。ずっと前から」
その無言がもう、答えているも同然だったのかもしれないけど……。
「榎本君が、浮気したことへの、仕返しですか……?」
あたしの質問に、今度は柚希さんが黙りこみ、ふと窓の外を見ながら言う。
「……色々知ってるんだねぇ。それ、あたし自身もいつだか曖昧なくらい、遠い昔の話だよ」
「身体は、大丈夫なんですか?」
(2回……いや、1回だけど、堕ろしたりして)
……という、あたしの気持ちを察知したらしい柚希さんが、ポーチから何かを取り出す。
昔駄菓子屋さんで見たような、小さくてカラフルな糖衣ラムネのような物が、アルミのシートに並んでいる。
そのシートを自分の頬にピタピタとつけながら
「あたしね、ピル飲んでるの。ずっと前から」