もう一度、最初から
「今日はカモミールの紅茶を淹れたわよ」と言ったかのような、優しく可愛らしい笑顔で言い放つ。

「……ピルって…」

「ついでに言うとね」

柚希さんが、その可愛らしい顔を近づけ、あたしの耳元で囁く。

「武瑠は、どんなに酔っ払っていても、避妊しなかったことなんて、ないのよ」

「……え?」

固まったあたしに、にっこりと微笑む。


それは……あたしが無言でエノキへの好意を認めたのと同じように。

柚希さんも、妊娠したことないって、宣言だよね……?

じゃあ、どうしてエノキは……


「それなのにね、ちゃーんと信じてくれるのよ。ピルも、精神安定剤だと思ってる」

「え……」

「だから、あたしが薬を飲む姿を見るたびに申し訳ないって顔してる」

「なんで言ってあげないんですか?榎本君はその事でずっと苦しんでいて、罪悪感を持っていて……」

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