もう一度、最初から
気が付くとあたしは、自分の前に来ていたアイスカフェオレを膝の上に半分以上こぼしていた。
平静を装って、飲むつもりで手に取ったのだけれど、震えが止まらなくて、自分の手が震えている事にも気がつかなかった。
あたしの手も、テーブルの上も、ボーイズデニムも、びちゃびちゃ。
「……柚希さん、あたし」
柚希さんがあたしの顔と、ベタベタの身体と交互に見ている。
「榎本君が、好きです。そして、そんな榎本君が選んだ柚希さんのことも、好きでした」
グラスをテーブルにそっと戻し、500円玉を置き、席をたつ。
例えばそのグラスに残ったカフェオレを、あのかわいい顔にぶちまけるとか
「ふざけんなこのアバズレ!!全部ばらしてやるー!!!」と怒鳴ってみるとか
そんなことが出来るなら、とっくにしてる。
前の恋の時だって、胸のスカッとするような仕返しをしてる。
だけどあたしには出来ない。
平静を装って、飲むつもりで手に取ったのだけれど、震えが止まらなくて、自分の手が震えている事にも気がつかなかった。
あたしの手も、テーブルの上も、ボーイズデニムも、びちゃびちゃ。
「……柚希さん、あたし」
柚希さんがあたしの顔と、ベタベタの身体と交互に見ている。
「榎本君が、好きです。そして、そんな榎本君が選んだ柚希さんのことも、好きでした」
グラスをテーブルにそっと戻し、500円玉を置き、席をたつ。
例えばそのグラスに残ったカフェオレを、あのかわいい顔にぶちまけるとか
「ふざけんなこのアバズレ!!全部ばらしてやるー!!!」と怒鳴ってみるとか
そんなことが出来るなら、とっくにしてる。
前の恋の時だって、胸のスカッとするような仕返しをしてる。
だけどあたしには出来ない。