もう一度、最初から
*その13*
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柚希さん、怒ったかな……。
身体はベタベタで、一刻も早くシャワーを浴びて、ゆっくり休みたい。
でも、全身ベタベタな今の状態が、どん底の気分にマッチして、妙に気持ちいい。
大通りに面した公園にふらりと入る。
ベンチに腰掛け、空を見上げる。
あたし、なにやってるんだろね。
エノキは、もう答えを出したんだから。
抜けるような青空と、足元の砂と。
あたしは、今日のこの日を想い出に出来るのかな?
あの頃はどん底だったなーって、笑える日は、来るのかな?
「……朱里さん?」