もう一度、最初から
さわさわと揺れる木の葉の音に混じって、呼ばれた気がして。

でも、あり得ない。


「朱里さん、だよね?」


気のせいじゃない。


あたし、この声、知ってるってば……。


「「……なにやってるの??」」


同じ台詞を同時に言うとか。

思わず笑ってしまう。

エノキは、いつものダサいスーツ姿で。

何故かびっくりしたようにこっちを見ているけど、驚いたのはあたしの方なんですけど。
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