もう一度、最初から
「と、とにかく!」


エノキが語気を強める。


「俺は、朱里さんを見つけたから。柚希の言う、賭けってなんのことか分からないけど、自分の気持ちも、誤魔化すなんて出来ないって、やっと分かったから」


「……ど、どうするの?」


エノキが、あたしの右手を両手で包む。


やっぱり、暖かくて大きな手。


「……どうしよう」


「……ちょっ……!!!」






ふふ、ふふふ。


二人で顔を見合わせて笑ってしまう。

笑ってる場合じゃないのに。


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