もう一度、最初から
ダサい眼鏡を外してみる。


「や、マジで見えないんですけど」

慌てるエノキ。



うん、大丈夫。


「あたしね、ダサくてもダサくなくても、好き」

「いや、じゃあ眼鏡を……」

「これに関しては買いに行こう」

「……そうだね」

「ちゃんとカッコいいスーツも買いに行こう」

「そうだね」

「あと靴と靴下と鞄と……」

「え、全とっかえ?」

「いーんだよ、もう、ダサいふりしなくて」

「いや、靴下に関しては俺の好みなんだけど………あの、ナイロンの」

「いやーーーー!!信じられない!紺色のシースルーみたいの?!」
< 193 / 196 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop