もう一度、最初から
気がつくと、エノキの『面接モード』がすっかり解除されている。

「ねね、そんなことより昨日の…」

「昨日って、何時頃??」

「丁度、今くらいにいた人よー!出し惜しみしないでよ!!」

「…今くらい?」

エノキが、腕にはめた「それ骨董品?!」みたいなかっちりしたダサい腕時計に目をやる。

「あー、昨日は…専門学校生の千波ちゃんと、主婦の吉田さんのはずが、吉田さん急用出来ちゃって店が回らねーってことになって、僕が出先から駆けつけて手伝ってた…くらい」


…?!?!


そもそも、一人称が、僕ってとこが相容れないタイプだけど、今気にかけるのはそこじゃない。


…あのイケメン…エノキ??
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