もう一度、最初から
そうだ、鬱々と過去に囚われている場合じゃない。

あたしは今日、とっておきの面白ネタ報告があるんだから。
那奈に一笑いさせてやろう。

とりあえず、コンビニでの一連の経緯を話す。



「えーーーーー?!えのきだけがー?!?!」

お洒落な空間に、那奈の叫びがこだまする。

酔っているとしたら早すぎる。

「あれー、ちょっと待てよ、でもそう言えば…何年か前に、物凄い出世株だねーなんて話聞いたことあるかも!」

「本当にエリートなんだー?」

「ねー、でもさー、エノキって…カッコ悪いよねぇ?」

「うんうん。カッコ悪かったよ、順調に」

「…朱里、婚約破棄のショックでオトコの趣味変わったの??」


…えーーーーー?!

話、全っっっっ然理解してない、この子。
< 44 / 196 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop